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櫂翔の手をペチペチ叩いた。
「…もぅ…すぐ、そう言う…」
「事実だから良いだろ?」
「言われる私は恥ずかしいの!」
「いいじゃねぇか。誰かに聞かれてる訳でもないんだからよ。」
「ライチが聞いてるでしょ!?」
「クスクス。ライは家族だから、仲が良いとこ見せつけてんだよ。」
照れもせずに笑いながら言う櫂翔に何も言えなくなった。
しばらく抱き締められたままで居たが、お母さんに呼ばれライチを抱いてリビングに降りていく。
「おはよう、お母さん。」
「おはよう李遠ちゃん。二日酔いにはなってない?」
「うん。大丈夫だよ。」
「そう。なら朝ごはん食べれる?」
「うん。」
返事をすると、お母さんは私達の朝食の準備に取り掛かった。
「あれ?お父さんは?」
「聖は仕事に行ったわよ。」
「そっかぁ…。行ってらっしゃい…って言えなかったなぁ…。」
「朝早かったからね。仕方ないわよ。」
「うん。残念だなぁ。」
シュンっと落ち込みながら言うと、お母さんは笑いながら言う。
「クスクス。李遠ちゃんは本当に聖が好きね?」
「うん!お母さんも大好きだよ!!」
「クスクス。ありがとう。さぁ食べなさい。ライちゃんはこっちよ。」
「はぁい。いただきます。」
お母さんに呼ばれたライチは私の膝から飛び降り、餌に飛び付いていた。
私は久しぶりのちゃんとした朝食に手をつけながら、お母さんと他愛もない話をしながら楽しく食べた。
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