九章

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夕方になりライチを連れて溜まり場に向かった。 中に入れば、メンバーと葵が真剣にゲームをしている。 観戦していた一人が、私達が入って来たのに気付き挨拶をされた。 「お疲れ様です。櫂翔さん。李遠さん。」 櫂翔は片手を挙げてから、いつものソファーに座り、私は櫂翔から離れ、葵達の方に向かいタイミングよく話し掛けた。 「葵?」 「あっ!い~ちゃん。来てたんだ?」 「うん、今ね。何してたの?」 「罰ゲーム付の対戦。い~ちゃんもする?」 「する!罰ゲームって何するの?」 「ん?ジュース買いに行ったりとかかな?」 「それならいいや。変なのならやらないけど。」 葵と話していると卓が来た。 「葵さん、どうぞ。」 「ありがとう卓。」 「卓?今来たの?」 「こんにちは李遠さん。葵さんに負けて、罰ゲームでジュース買いに行ってたんだ。」 「そっか。次は私も入るからね?」 「じゃあ負けない様に頑張るよ。」 「じゃあ…い~ちゃん、卓、始めるよ?」 葵に頷くとゲームがスタートした。 私、葵、卓、南の対戦が始まった。 南は卓といつも一緒にいるメンバーだ。 卓と遊ぶ様になってから、仲良くなったメンバーの一人。 キャアキャア騒ぎながら対戦をしていたが、葵に勝てずに二位になった。 「悔しい!葵、もう一回!!」 「い~ちゃん、俺に勝てるの?」 「勝つんだもん!卓、南、葵に負けない様にね!!」 興奮する私に卓、南は苦笑いで、葵はバカにした様に笑った。 負けず嫌いな私は、最下位になる事はなかったが、葵に勝てなくて少しづつ不機嫌になって行った。
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