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「えっと…い~ちゃん?」
熾遠に叫んだ私に、葵が遠慮気味に話し掛けてきた。
チラッと葵の方を見てから、また櫂翔にギュッと抱き着いた。
「い~ちゃん…機嫌直してよ?あっ…ジュース持ってこようか?」
必死に私の機嫌を直そうとする葵に、熾遠が話し掛けた。
「あ~葵。李遠はほかってていいぞ。」
「でも熾遠さん…。」
「気にすんな。いつもの事だ。」
「…そうですか?」
「あぁ。暫くしたら治るからほっとけ。」
「はい。」
笑いながら言う熾遠に葵は渋々頷いていた。
櫂翔は黙ったまま、ずっと私の頭を撫でていた。
ずっと櫂翔に抱き着いていた私は、少しづつ落ち着いて来ていて、それを見計らった様に櫂翔に呼ばれた。
「李遠?」
櫂翔の胸から顔をあげて見る。
「少しは落ち着いたか?」
「…うん…。」
「また練習すれば葵にも勝てる様になる。綾達には勝っただろ?」
そう言う櫂翔に頷いた。
「じゃあもぅイジけんな。すぐイジけてたら葵達も遊んでくれなくなるぞ?それで良いのか?」
「………いや………。…葵に…謝ってくる…。」
遊んでくれなくなるのはイヤ…そう思い私が答えると櫂翔は微笑んだ。
葵達に悪い事したと思い、謝りに行こうと櫂翔から離れた。
「…葵…」
「あっ。い~ちゃん!」
「…ゴメンね?」
「もう大丈夫?」
「うん。次は勝つから!!」
「じゃあまた対戦やろうね?」
「うん!」
葵と仲直り?してから櫂翔の元に戻ると、櫂翔の膝に座らされた。
「もぅイジけんなよ?」
「うん、たぶん。」
ニコニコしながら櫂翔と話、そろそろ家に帰ろうとなり、ライチを連れて溜まり場を出た。
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