十章

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「あ…櫂翔とライチが寝ちゃってる…。」 呟くとお父さんは、私の頭をポンっと撫でてからソファーに近寄り、櫂翔の上で眠るライチを抱き上げてから、櫂翔をソファーから蹴り落とした。 「…いって…」 「起きろ櫂翔。李遠が寂しそうにしてんだろ。」 「…親父…落とすなよ…」 「寝てるてめぇがわりぃ。」 お父さんはそう言いながら、テーブルに歩いて行き、ライチを膝に乗せて座った。 「クスクス。聖おはよ。櫂翔もちゃんと起きなさい。ご飯食べるわよ?李遠ちゃんもボ~としてないで座りなさい。」 「はぁい。」 お父さんと櫂翔を見ていた私は、お母さんに呼ばれテーブルに座った。 櫂翔もソファーから起きてきて、私の横に座りご飯を食べ始めた。 ご飯を食べ終わって、お母さんの後片付けを手伝ってから、家を出る。 「じゃあ行ってきます。ライチをお願いします。」 「はぁい。楽しんで来なさい。櫂翔、事故るんじゃないわよ。」 「あぁ。そんなヘマしねぇよ。」 お母さんに言われ櫂翔は面倒臭そうなに答えた。 「李遠、持っていけ。」 「へ?お父さん??」 突然お父さんさんから封筒を渡され、中を見てみると3万円入っていた。 「え?え?お父さん??」 「小遣いだ。」 「え?いいの?」 「あぁ。好きなの買って楽しんで来い。」 「うん!ありがとう!!」 お父さんにお礼を言ってから櫂翔のバイクに乗った。 「櫂翔、安全運転で行けよ!」 「あぁ、じゃあな。」 櫂翔はお父さんに返事をすると、バイクを走らせた。 私はお父さん達に手を降ってから、櫂翔にギュッと捕まった。
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