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学祭も終わりに近づき放送が入る。
〔あと1時間で終了します。生徒の皆さんは教室に戻ってください。〕
放送を聞いた私は、つい呟いてしまった。
「あ…もぅ終わりなんだ…。」
『李遠ちゃん、後夜祭があるからまだ居ていいよ。』
「え…?でも大丈夫なの?」
『うん。生徒一人につき一人は呼べるから。私のチケットを李遠ちゃんにあげる。櫂翔くんには魁のをあげるよ。』
そう聞き思わず櫂翔を見た。
「櫂翔!いい?」
「あぁ。」
「やった。ありがとう綾さん!!」
『うん。じゃあ朔達と待っててね?』
「うん!」
私の返事を聞くと綾さん達は校舎に戻っていった。
残された私達は人が少なそうな場所に移動して、綾さん達が戻ってくるのを待つ。
『李遠?』
「はい?」
急に颯矢さんに呼ばれ、何だろうと思いながら返事をする。
『今日の事、熾遠さんと葵に言ってないだろ?』
「あ…誘うの忘れてた…。」
『クスクス。そうだろうな。葵が李遠がこっちにいるの聞き付けて、来てるらしい。』
笑いながら言う颯矢さんに驚いた。
「葵、颯に電話したのか?」
『あぁ、櫂翔も李遠も電話に出ないって。で、綾の学祭にいるって言ったら来るってさ。』
そう聞いた櫂翔と私は顔を見合わせ苦笑いしていた。
「もしかして…熾遠も来るのかな?」
『葵と一緒に来るみたいだぞ。』
「はぅ…櫂翔、朔矢さん、颯矢さん…お願いが…」
熾遠が来ると聞いた私は慌てて三人にお願いする。
『『どうした?』』
「あの…私が櫂翔とはぐれた事、熾遠には秘密にしてください!バレたら…怒られる…。」
『クスクス。李遠、手遅れだ。』
「え?」
『熾遠さん知ってるぞ。』
「えぇ~!!」
熾遠が知ってる事に驚きながらも、櫂翔の背中に隠れてようと決めた…。
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