十章

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『李遠ちゃん~!朔、颯、お待たせ!!』 「綾さん、お帰りなさい。」 『うん。はいこれ付けといてね?』 「うん。ありがとう!!」 綾さんにリボンを貰った。 これが、許可書みたいだ。 櫂翔も魁さんから受け取り、服の裾に着けていた。 『さぁ行こう!!』 「わぁ!綾さん、待って~」 綾さんに手を引かれ、歩き出した。 出店で色々買いながら歩く。 お祭りに来てる気分になり楽しくなって綾さん達と、はしゃぎながら回っていた。 野外ステージでは、ライブをやっていたりした。 ちょうど綾さんと近くを歩いていると、声をかけられた。 「2年の真鳥 沙綾ちゃんだよね?」 『そうですけど?』 綾さんも知らない人らしく、警戒しながら答えていた。 「今からステージでイベントがあるんだけど、参加しない?あっ隣の彼女もどう?」 『イベント?』 「どんなのですか?」 「ミスコンみたいなもの。二人とも可愛いからどう?」 内容を聞いて、二人で考えた。 『どうする李遠ちゃん?』 「…私はいいです。」 『だね。じゃあ出ません。』 二人で断ると残念そうにしながら、諦められない人に叫ばれる。 「え~。出てよ!ステージに立つだけでいいからさぁ…」 『遠慮します。李遠ちゃん行こう。魁達の所に帰ろ。』 「うん。」 綾さんと歩き出すと、手を掴まれ引き止められた。 「少しだけだから…ね?こっち来て。」 「あ…あの…」 困惑しながら引っ張られていると、いつの間にかステージに上がっていた。 「…綾さ~ん…」 『はぁ…何でこんな事…』 綾さんは諦めた様に呟き、私は大勢の人に圧倒されて綾さんの背中に隠れた。
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