十章

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〔さぁ、飛び込み参加です。2年の真鳥 沙綾さんだぁ。おっと?真鳥さんの後ろには可愛い子がいるぞ!1年かぁ?さぁ…御堂さんの彼女である真鳥さんに告白出来る勇者はいるかぁ?後ろの女の子でもいいぞ~!希望者はステージに上がってくれ!!〕 ミスコンって聞いたのに、告白大会みたいになっていた。 「…綾さん…櫂翔の所に帰りたい…」 『そうだね…。でもたぶんもうすぐ魁達来るから、それまで待ってようね?』 意外と希望者が多くスタッフの人が整理しながらイベントが進んでいた。 「真鳥さん!好きです!!」 『ごめんなさい。』 「真鳥さんの後ろの子!彼氏いる?」 「…居ます…。」 「隠れてないで出てきてよ!!」 綾さんは次々告白され、そのたびに断る。 綾さんの背中に隠れている私にも告白みたいに言う人と引っ張りだそうとする人で人だかりが出来ていた。 その時、チャラチャラした感じの人に手を掴まれ、咄嗟に手を引く。 「触らないで!!」 急に大きな声を出した私に皆ビックリしていた。 「手つかむぐらい良いじゃねぇか。前に出ておいでよ。」 軽そうな男はそう言いながら、私を綾さんの背中から引っ張り出した。 「「「おぉ~!!」」」 よくわからない歓声が上がったが、周りの人が段々とイヤになってきて、イライラしてきていた。 「急に黙ってどうしたの?俺ね夜叉のメンバーなんだよ。夜叉って知ってる?」 夜叉と聞いて総司くんの顔が頭に浮かんだ。 「夜叉の俺と仲良くなれば、いろいろ良い事あるよ~。どぅ?」 「………………」 私が何も答えずにいると、軽そうな男は肩に腕を回してきた。
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