十章

15/39
前へ
/592ページ
次へ
後夜祭も終盤に近付くと、ベストカップル賞の発表があった。 去年は綾さん達が1位だったらしい。 『なんかね?今年は解らないらしいよ。景品も変わるらしいしね。』 「ふぅん。」 余り興味もなく、流しながら聞いていると、放送が聞こえた。 〔皆さま!お待ちかねのベストカップル賞の発表だぁ!!今年は去年より面白い事になってるぞ!!〕 綾さんもそんなに興味がないらしく、二人でお菓子を食べていた。 〔今年は5位までの発表だ。5位、3年田仲と竹廣のカップルだ。4位、去年より順位が下がりました、2年の尾崎 月さんカップル。3位、こちらも順位が下がりました。2年の原口 魅弥さんカップル。〕 「へぇ~。みぃさんも月さんも凄いね~。」 『クスクス。あれ恥ずかしいだけなんだけどね?』 「そうなんだ。やっぱり綾さんは1位なのかな?」 『さぁ?意外と李遠ちゃんと櫂翔くんかもよ?』 「えぇ~まさかぁ。私達他校生だよ?名前解らないのに呼ばれる訳ないよ。」 『あら、櫂翔くんは有名よ?それにこの学校、宝龍のメンバーが多いから李遠ちゃんの事知ってる子もいるよ?』 「そうなんだ。気付かなかった…。」 『クスクス。李遠ちゃんらしいね?あっ!発表されるみたいだよ!?』 そう言う綾さんにつられステージを見た。 〔さぁ、2位の発表だぁ。今年は他校生がランクインしてるぞ。なんと…隣県で有名なblue moon総長のカップルだ!!なぜ今日居たか解らないが、素敵なカップルですね。〕 司会の言葉にキョトンとした。 まさか私達が選ばれるとか思ってなかったから。 「…へ?」 『李遠ちゃん達だったね?』 笑いながら言う綾さんに答え様とすると、続いて1位の発表がされた。 〔1位は去年と同じく、3年御堂さんと2年真鳥さんカップルだぁ。さすがに強いです!ですが、2位とは僅差での1位!!来年はどうなるのか楽しみですね。では受賞者の皆さん、ステージまでどうぞ!今年はこの場で景品を渡したいと思います。〕 『だって…。行こっか。』 放送を聞いて、綾さん達が立ち上がったのを見て、私達も後ろをついて歩いた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加