十章

18/39
前へ
/592ページ
次へ
クスクス笑いながら聞いてくる櫂翔に顔を赤くしながら答える。 「それとこれとは別なの!」 「はいはい。わかった、わかった。」 「わかってなぁい!!」 私の抵抗も虚しく、お風呂場に連れていかれ、脱がされる。 「やぁ!か…櫂翔!せめて自分で脱ぐから!!」 「んじゃ先入ってろよ。」 「うぅ~わかった。」 私の返事を聞くと、櫂翔は一回バスルームから出ていった。 いくら言っても諦めないから、櫂翔が戻る前に浴槽に浸かろうと思い、素早く脱ぎ体を洗い始めた。 頭を洗い終わった頃、ギュッと抱き締められた。 「きゃっ!」 「クスクス。何驚いてんだ?」 「ビックリしたぁ。いつ来たの?」 「お前が洗ってる間にな。俺が洗ってやろうか?」 「…いい…。自分で洗うから離して?」 「クスクス。そうか。」 櫂翔はなぜか笑いながら私から離れた…っと思ったら、お風呂の縁に座りジッと私を見つめてきた。 「…櫂翔…そんなに見ないで?」 「やだ。」 恥ずかしくなり言えば即答で返された。 「うぅ~」 見つめられながら体を洗い終わり、湯船に浸かる。 お風呂から見える夜景を眺めながら、櫂翔が入ってくるのを待つ。 しばらくすると、櫂翔が入ってきたのがわかる。 「李遠、おいで?」 櫂翔に呼ばれ近寄ると、後ろから抱き締められた。 色々話してから上がる、お風呂に入り始めてから、一時間以上過ぎていた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加