十章

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次の日 昼頃からまた綾さんの学校に熾遠達と向かう。 今度は迷子にならない様にしっかりと櫂翔と手を繋ぎ、葵と熾遠が後ろからついて来ている。 「ねぇ櫂翔?」 「ん?」 「綾さんの教室、こっちじゃないよね?」 「あぁ。今日は魁さんの教室だ。」 「魁さん?そっかぁ。」 櫂翔と話ながら歩いていると、熾遠に言われた。 「李遠、櫂翔の手を離すなよ?」 「解ってるよ。」 「迷子になったら、放送かけるからな。」 「はぁい…。熾遠…最近、パパみたい…。」 「お前が迷子になるからだろ?ちっさい頃から変わらないからだ。」 「うにゅ~。」 私と熾遠の会話に葵と櫂翔はクスクス笑っていた。 「おぅ櫂翔、李遠。今日も来たのか?」 前から諒さんが歩いて来て、私達を見て声をかけられた。 私はとっさに櫂翔の背中に隠れた。 「こんにちは諒さん。李遠が来たいと言ったので。」 櫂翔が挨拶をしていると、葵達が不思議そうにしている。 「い~ちゃん?何してんの?」 「…べつに…。こんにちは諒さん。」 葵に答えながら諒さんに挨拶をする。 「熾遠、葵、久しぶりだな。李遠…隠れてないで出てこいよ…。熾遠からも言ってくれよ。俺と会った事あるってよ。」 諒さんが少し落ち込みながら言う。 「久しぶりです諒さん。李遠、諒さんに会った事、覚えてないか?」 熾遠に聞かれたが、やっぱり覚えがないので、首を振った。 「あ~。あれだ李遠。親父の弟子の、ていくんだ。」 熾遠に言われ思い出す。 熾遠の言葉を聞いた諒さんは、叫んだ。 「熾遠!ていくんって言うな!!諒で覚えさせたはずだろ?」 「いや。諒さんが帰った後、いつも親父がていくんって言ってたから、李遠もそれでなら覚えてるはずです。」 「翼さぁん…。」 落ち込み気味に言う諒さんに思い出してきた。
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