十章

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席につき綺羅さんがジュースを運んで来てくれた頃、魁さんと蓮さんが来た。 『櫂翔…やっと来たか…。』 「お疲れ様です。魁さん。」 『あぁ…。』 「しかし…魁が学祭に参加してるなんてな…。」 熾遠が言うと魁さんは疲れきった顔で答える。 『出るつもりはなかったが、沙綾が見たいって言い出したからな。お前らが来るまでを条件に居たんだよ。』 「…魁…お前も綾に弱いよな…。」 『うるせぇよ。銘愛は連れて来なかったのか?』 「あぁ。銘愛は家族で出掛けたからな。代わりに葵だ。」 『そうか。』 話している魁さんは本当のホストに見えてきた。 「魁さん…。」 『どうした李遠?』 「…本当のホストみたいで、カッコイイです…。」 『…………そうか…』 励ます様に言ったのに、魁さんはゲッソリした。 「………あれ?」 「李遠…フォローになってないぞ?」 落ち込む魁さんを見ながら、櫂翔と話した。 しばらくすると、綾さん達がやってきた。
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