十章

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教室に入ってきた綾さん達は、私達を見つけると近寄ってきた。 『李遠ちゃん!来たね。魁まだ居たんだ。着替えてたらどうしようかと思っちゃった。』 「こんにちは綾さん、みぃさん、月さん。」 『うん。今日も楽しんでね?』 「うん。」 綾さんと話していると、魁さんが言った。 『沙綾、着替えて来るぞ。』 『えぇ!もぅ?』 残念そうに言う綾さんに一瞬魁さんが止まった。 『…………なんだ?』 『もう着替えるの?もう少しそのままでいて?』 『………………。』 魁さんは綾さんの言葉に固まった。 『ね?お願い。』 可愛くお願いしている綾さん。 そんな光景を見ていたら可笑しくなってきて、コソッと笑っていると、櫂翔に頭を撫でられた。 「クスクス。ねぇ櫂翔?」 「どうした?」 「もし私が綾さんみたいにお願いしたらどうする?」 「………………。」 そう聞くと櫂翔が固まった。 「櫂翔?」 「………どうだろうな?」 笑いながら誤魔化され、ムゥと頬を膨らませた。 綾さんの方を見れば、綾さんのおねだりに負けた魁さんが溜め息をついていた。 『ありがとう魁!!』 喜ぶ綾さんを見ながら、皆は苦笑いしている。 とりあえず、移動しようと言う事になり、席をたって色々見て回る様にした。 今日は昨日みたいな出店は少なく、ステージでの催し物が多かった。 やっぱり時間が立つのが早く感じていた。
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