十章

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ゆっくりご飯を食べて、お母さん達に色々話した。 10時を過ぎた頃、お父さんがライチもいるからと言って、マンションまで車で送ってくれた。 「ありがとうお父さん。」 「あぁ。また来いよ?」 「うん。」 送ってくれたお礼を言って少し話してから、お父さんは車を発進させた。 車が見えなくなるまで見送っていると、櫂翔に呼ばれた。 「李遠、行くぞ。」 「はぁい。」 櫂翔に呼ばれ部屋に帰ってすぐに、ライチをキャリーバックから出して上げれば、トコトコと走りながらソファーに向かっていった。 「クスクス。ライチもお家が解るのかな?」 「だろうな。」 櫂翔とリビングに行きながら話をして、私はそのままコーヒーを入れようとキッチンに向かう。 「櫂翔、何かいる?」 「あぁ、ビール。」 「わかった。」 自分のコーヒーと櫂翔のビールを手にソファーに行けば、櫂翔の膝にはいつの間にかライチが乗っていた。 少しゆっくりしてから、交代でお風呂に入り寝室に行く。 ライチも自分のベッドに行き、定位置でクルンっと丸まりながら眠りにつこうとしていた。 布団に入ると櫂翔に抱き寄せられ、櫂翔の温もりにだんだんと眠たくなってくる。 「李遠。」 「………ん?」 ウツラウツラしながら櫂翔に返事をして、更に抱き着いた。 「…楽しかったな?」 「うん。また綾さん達と遊びたい……。」 「あぁ。連れて行ってやる。」 「ありがとう…櫂翔。」 「あぁ。…お休み。」 「…おやすみ…」 おでこにチュっとキスをされたのを合図に、私は眠りに落ちていった。
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