十章

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何とか櫂翔を納得させ、準備をし始める。 遊園地に行くから、今日はショートパンツにロンTにカーディガンと意外とカジュアルな格好にした。 洋服を着替えてから、軽く化粧をして髪をポニーテールに結ぶ。 私の準備が終わりリビングに戻ると、櫂翔はライチとソファーで寝ていた。 「もぅ…。櫂翔、準備出来たよ!!」 「あぁ…。」 「しっかり起きて!!」 ライチを抱き上げ櫂翔を揺さぶり起こす。 案外早くに目を開けてくれた櫂翔に、ホッとしながらライチをゲージに入れた。 「ライチ、行ってくるね?」 「ニャ~。」 ライチの返事を聞いてから、お弁当を手に持ち櫂翔の手を引きながら玄関に向かった。 これ以上家に居て、櫂翔がまた寝だしたら行けないと思い、急いで家を出る。 銘ちゃんとの約束の時間も近付いて来ていたから、ちょうどよかった。 櫂翔は渋々ながらも私に手を引かれ、バイクの前まで来ると、諦めた様に溜め息をつく。 「…ほら李遠。」 「うん。」 ヘルメットを被り、櫂翔の後ろに乗ってギュッと掴まると、櫂翔はバイクを発進させた。 銘ちゃん達とは私達の家と、銘ちゃん達の家の中間にあるコンビニで待ち合わせていた。 コンビニに着くとまだ銘ちゃん達は居なく、仕方なく中で待つことにした。 「櫂翔、コーヒーいる?」 「あぁ、あとタバコ。」 「わかった。」 必要な物を買い、中に設置されているテーブルに座ってコーヒーを飲みながら待っていた。
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