十章

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しばらくすると銘ちゃんと熾遠が来た。 「おはよう李遠ちゃん。待たせてゴメンね?」 「おはよう銘ちゃん。どうせ熾遠も起きなかったんでしょ?」 「そうなのよ。無理矢理起こしたけどね?櫂翔はすぐ起きた?」 「いつも以上に時間かかったよ。なかなか起きないんだもん。」 銘ちゃんと私で話していると、眠そうな熾遠が櫂翔と話していたから、私達はフッと櫂翔達の話しに耳を傾けた。 「…早いよな?」 「あぁ。だが李遠が納得しねぇから…。」 「お前も李遠に弱いよな。」 「そう言う熾遠もな。」 そう話す二人に銘ちゃんと叫んだ。 「早くないよ!」 「そうよ!今から行ってちょうど良いの。」 「「…わかった、わかった。」」 文句を言うのを諦めた二人に、私と銘ちゃんは顔を見合わせ笑った。 コンビニを出て、それぞれバイクに乗り、遊園地を目指した。 オープンの少し前に遊園地に着いたけど、人気がある遊園地のせいか朝早くても沢山の人が並んでいた。 「わぁ…。多いね?」 「まぁ…人気があるからね?」 人の波を見ながら銘ちゃんと話していると、櫂翔と熾遠が言う。 「お前らはぐれるなよ?」 「特に李遠な。」 そう言いながら手を繋がれ、私はニコニコしながら櫂翔の手を握り返した。 入口の行列に並び、他愛ない話をしながらオープンを待った。
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