十章

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次々に乗っていき、気が付けばお昼になっていた。 「銘愛、李遠、休憩しようぜ?」 「わかった。お弁当あるから…どっか食べる場所あるかな?」 熾遠に言われ、返事をしてから食べる場所を探した。 ちょうど近くに広場になっている所があり、そこで食べる事にした。 木陰を見つけ、レジャーシートを拡げていると櫂翔に呼ばれた。 「李遠、何飲む?」 「ん?紅茶がいいな。」 「わかった。買ってくるからここにいろよ?」 「うん。」 櫂翔は私の頭を撫でてから、熾遠と自販機に向かい歩き出した。 櫂翔達が戻るまで、銘ちゃんとお弁当を広げながら待つ。 櫂翔達が行き、暫くしてからパンフレットを見ていた銘ちゃんに呼ばれた。 「ねぇ李遠ちゃん。」 「何?銘ちゃん??」 「午後からパレードあるらしいんだけど…」 「行く~!」 「ん、わかった。熾遠達にも言っとこうね?」 「うん。…でも…櫂翔達…遅くない?」 「あ~。李遠ちゃん、あの人だかりの中にいるよ。多分タバコでも吸ってんじゃない?」 「あ~なるほど。」 銘ちゃんの視線の先にはキャ~キャ~騒ぐ女の人の群れがあった。 銘ちゃんと苦笑いしながら見ていると、櫂翔と熾遠が真ん中から出てきて、私達の所に戻ってきていた。
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