十章

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戻って来た櫂翔と熾遠は、苦笑いをしている私達を見て不思議そうにしていた。 「どうした?」 「ん?どこに行っても人気だなぁって思って。」 「そうか?」 「そうだよ。居場所はすぐに解るけど…。」 「けど何だよ?」 「………………何か……………イヤ………。」 「クスクス。俺はお前にしか興味ねぇよ。」 「…………むぅ………」 櫂翔と話していると、熾遠に呼ばれる。 「櫂翔、李遠、イチャつくな。飯食おうぜ。」 「李遠ちゃん…注目されてるわよ?」 銘ちゃんの言葉にハッとして見渡せば、確かに注目されていた。 恥ずかしくなり、櫂翔に抱きつき、櫂翔の胸に顔を埋めた。 そんな私に櫂翔は笑いながら、頭をポンポンと撫でてくれた。 気分も落ち着いた頃、櫂翔から離れお弁当を食べた。 沢山作ったお弁当も、あっという間になくなり、暫くその場で話した。 「銘ちゃん。」 「ん?」 「アイス買いに行こう?」 「うん。行こっか。」 「櫂翔、行ってくるね?」 「あぁ、見える所で買えよ?」 「うん。あそこ行ってくる。」 銘ちゃんを誘い私はアイスを買いに来た。 櫂翔に言われた通りに、休憩していた所から見える売店で、銘ちゃんとアイスを注文した。 注文したアイスを受け取り、銘ちゃんと食べながら歩く。 「ん~~!美味しいね!?」 「そうね。」 他愛ない話をしながら歩いてると、後ろから声をかけられた。
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