十章

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銘ちゃんと二人で読んでいると、熾遠達に呼ばれた。 「李遠、銘愛、行くぞ。」 「「はぁい。」」 熾遠に返事をしてから、櫂翔の元に戻る。 「ねぇねぇ櫂翔。これすごいよ。本当に当たってる。」 興奮気味に言うと、櫂翔は私の頭を撫でながら言う。 「クスクス。わかったから、ちゃんと前見て歩け。」 「うん。」 遊園地からの帰り、ついでにご飯を食べて行こうってなり、ファミレスに入った。 地元に帰ってきたせいか、やはり櫂翔と熾遠に視線が集まる。 そんな事を考えながら、銘ちゃんと他愛もない話をしながらご飯を食べた。 しっかりとデザートまで食べてからファミレスを出て、銘ちゃん達とはここで別れるみたいだ。 「じゃあね李遠ちゃん。また遊ぼうね?」 「うん。気をつけて帰ってね?」 「うん。」 少し話してから、それぞれの家に帰る。 玄関を開けてリビングに行けば、ライチがゲージから出たそうにしていた。 櫂翔は電話が鳴り、話しながら仕事部屋に入って行くのを見ながら、ライチのゲージに近寄る。 「ニャ~。」 「ただいまライチ。今開けてあげるね?」 ゲージを開けてあげるとピョンと勢い良く飛び出し抱き着いてきた。 「ライチ、お土産買ってきたよ。ほら。」 そう言いながら、ライチの大きさのパンダのぬいぐるみを出してあげた。 ライチはぬいぐるみの匂いを嗅ぎながらグルグルと周りを回っていた。 そんなライチを眺めながら櫂翔に買って貰ったぬいぐるみを抱きしめソファーに座った。 少しゆっくりしてから、お風呂の準備をして櫂翔が仕事部屋から出てくるのを待っていたが、遊園地ではしゃぎ過ぎたせいか、いつの間にか私は眠りに落ちていた。
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