十章

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目が覚めるとカーテンから光が差し込んでいた。 「………………。」 あれ?っと思いながら、隣に温もりを感じ見てみると、いつもの様に櫂翔がいた。 …あ…昨日、櫂翔を待ってる間にソファーで寝ちゃって…。 …櫂翔が運んでくれたのかな? そう思いながら櫂翔に抱き着くと、櫂翔は目を閉じたまま抱き締め返してくれる。 暫く抱き着いてから、今日が平日だと思いだし櫂翔を起こした。 「櫂翔…櫂翔おきて。」 「………ん。」 「櫂翔…学校行かなきゃ。」 「………あぁ……」 返事をしながらも、私を抱き締め離さない櫂翔。 「起きて櫂翔。」 根気よく櫂翔を起こしていると、ライチがベッドに上がってきた。 「ニャ~ニャ~」 「おはよライチ。櫂翔を一緒に起こしてくれる?」 「ニャ。」 ライチは短く鳴くと、櫂翔の顔に近付きペロペロと舐め出した。 ライチに舐められ身動ぎしながらも、起きない櫂翔。 終いには私を抱いている反対の手で、ライチを抱き締めた。 「クスクス。櫂翔ってば。起きて?」 「………あ?」 「おはよ起きた?学校行かなきゃ。」 「…まだ良いだろ…。」 「ダメだよ。ちゃんと起きて。」 「ニャ~」 櫂翔と話していると、櫂翔に掴まれているライチも鳴きながらゴソゴソしていた。 ライチが櫂翔の腕から抜け出すと、櫂翔は私を抱き寄せキスをした。 「………ン……。」 暫くすると唇を離してくれ、櫂翔はベッドから身体を起こしタバコを手に取る。 櫂翔が起きてから私も身体を起こし、ベッドから降りようとしたら、手を掴まれた。
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