二章

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洋服を片付け終わると、キッチンに行った。 キッチンにはリッパな冷蔵庫やオーブンがあったけど…使ってないみたいだった。 「櫂翔?キッチン使ってないの?」 「あぁ。使う奴もいなかったしな。この家に女入れたのは、家族以外では李遠が初めてだ。」 そう言われ嬉しかった。 「ねぇ櫂翔!夕飯作るから買い物行こう?」 「クスッ。作れるのか?」 「作れるもん!」 櫂翔は笑いながら言ってきた。 …驚かしてやる。 そう決めて、スーパーに買い物しに行った。 二人でスーパーに入り、櫂翔に何が食べたいか聞いてみる。 「櫂翔なに食べたい?」 「ん?李遠が作る物なら何でもいいぞ。」 そう言われ、悩んだ末私が食べたい物にした。 何日か分の材料を買い、櫂翔とマンションに帰り、冷蔵庫に材料をしまいこむ。 「熾遠何時ごろ終わるかな?」 「すぐ終わるだろ。」 「熾遠に私が作るって伝えてくれた?」 「あぁ。さっき連絡した。それより…。」 「ん?」 櫂翔を見ると、意地悪そうな顔で私を見ていた。 「お礼のキスは?」 「…えっ!?」 「さっき約束しただろ?李遠からのキス。ほら今しろ。」 意地悪な顔で言ってくる櫂翔に慌てる。 「えっ…や…恥ずかし…から…。」 「誰もいないだろ。ほら早くしろ。熾遠が来ちまうぞ。」 諦めそうにない櫂翔に恥ずかしけど、我慢しながら言った。 「じゃ…じゃあ…目…閉じて?」 そう言うと素直に目を閉じた。 覚悟を決めて、チュッとキスしてすぐ離した。 …のに…櫂翔に後頭部を捕まれ深いキスをされた。 「…んっ…。」 私の中では長い時間キスをされて、唇が離された頃には、息切れしていた。 「…はぁ…はぁ…」 櫂翔にもたれ、息を整える。 櫂翔は面白そうに笑いながら言った。 「クスクス。大丈夫か?」 「…はぁ…はぁ…。櫂翔の…せいでしょ…。」 そう言うと、私を慰める様に頭を撫でてきた。
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