十一章

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帰って良いと言われたが、葵がまだ話し合いをしてたから、ボ~としながら外を見ていた。 「い~ちゃん、お待たせ。帰ろっか。」 「うん。」 葵に返事をして立ち上がり、blue moonのメンバー達と教室を出た。 「い~ちゃん、どうする?溜まり場来る?」 「うぅん。家に帰る。」 「わかった。じゃあ送るね?」 「ゴメンね葵。ありがとう。」 「大丈夫だよ。」 わざわざ送ってくれる葵にお礼を言い、校門を出て葵のバイクに乗る。 マンションの前について葵のバイクから降りる。 「ありがとう葵。」 「良いよ。櫂翔さん帰って来る前に何かあったら電話してね?1人で出掛けちゃダメだよ?」 「うん。わかってる。」 「じゃあ明日ね。」 葵は言うと同時にエンジンを吹かせ、私を乗せていた時より速いスピードで走り去った。 葵が見えなくなるまで、見送ってからマンションの中に入った。 玄関を開けて靴を脱いでいると、ライチの鳴き声が聞こえる。 「ニャ~」 「ただいまライチ。今出してあげるね?」 「ニャ~ニャ~」 ライチのゲージを開けてあげてから、着替える為に寝室に入る。 ライチも一緒に入ってきて、足元をチョロチョロしている。 ライチを踏まない様に着替えて、ライチを抱き上げリビングに行く。 リビングでライチと遊んでいると、櫂翔からメールが届いていた。 櫂翔からはもう家に居るのかと今日遅くなるって内容だった。 わかったっと返事を返すと、すぐに返信があり、ちゃんとご飯は食べる様にって書いてある。 …バレてる…。 1人の時は作るのが面倒くさくて食べない時が多い。 バレてないと思っていたが、気付いていたみたいだ。 はぁいと櫂翔に返事をして、冷蔵庫を開けた。
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