1846人が本棚に入れています
本棚に追加
目覚ましの音と共に目をさます。
「………朝……」
まだ、しっかりと起きない頭で、考えながら学校の準備を始める。
今日は高校の入学式の為、本当ならもう少し遅く起きる事も出来るけど、早めに行くため、30分も早く起きた。
一階に降り、リビングに顔を出す。
リビングには叔父さんと叔母さんがいた。
「おはようございます。」
一応挨拶をするが、二人とも私の事を無視していた。
これはいつもの事なので、早々とリビングを出て、家から出る。
私…結城 李遠(ゆうき いおん)は親戚の家に住んでいる。
両親は10歳の時に、事故で亡くなってしまった。
唯一の肉親は2歳年上の兄だけ。
その兄も親戚の家に帰って来なくなっていた。
玄関を出て、そんな事を考えて、ふぅと息を吐き出した。
「……熾遠(しおん)……。…助けて…。」
ポツッと呟いてしまい、ハッとする。
今日から通う高校は、熾遠も通う高校。
学校に行けば熾遠に会える。
そう思いながら、学校までの道のりを急いだ。
最初のコメントを投稿しよう!