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息も整い、ご飯の準備をするにはいい時間になっていた。
「…そろそろ作ろうかな…。」
「何作るんだ?」
「出来てからのお楽しみ。」
櫂翔にそう言い残し、キッチンに立ち料理を始めた。
手際よく次々と作り、気付けば結構な時間がたっていた。
ちょうどその時、インターホンがなり、櫂翔が玄関に向かった。
戻って来たときには、熾遠、葵、侑哉さんが一緒に来ていた。
「おかえり熾遠。葵たちも一緒に来たんだね。」
私が言うと熾遠、葵、侑哉さんの順番で喋った。
「ただいま李遠。」
「い~ちゃん。熾遠さんにお呼ばれしちゃった。」
「李遠ちゃん。お邪魔します。お土産持ってきたからね。」
次々に言われ、笑って頷いた。
「さぁ食べよ?」
そういい、作った物を出していった。
クリームパスタ、サラダ、ピザ…。
「わぁ美味しそう!」
葵は目を輝かせて料理を見ていた。
「食べて?」
私は櫂翔の横に座り、皆に食べさせた。
皆が無言で食べるから、失敗したかと思い聞いてみた。
「美味しい?」
そう言うと皆が頷く。
「い~ちゃん。美味しい!お店のみたい!!」
「李遠ちゃん料理上手いね。」
「あぁ…旨いよ。」
…よかった。
安心したけど熾遠だけ反応がなくて不思議に思い聞いた。
「熾遠?」
「あ…あぁ。李遠…これ…お袋の味だろ?覚えてたのか?」
「…うん。これだけは…ママの味になるの。他のはまだ研究中だけどね。」
「そうか…。お袋よく作ってたもんな。」
二人でしんみりそんな話をしていると、櫂翔に頭をなでられた。
そのあとは、皆で話しながらたくさん食べた。
気がつくと、いつの間にか櫂翔達は、お酒を飲み出していた。
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