十一章

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さっき買ってきたサンドイッチを食べようとしていると、熾遠に取られた。 「あ…」 「李遠、行くぞ。」 「へ?何処に??」 「俺んち。銘愛が飯作って待ってるって。」 「私も?」 「あぁ、櫂翔からも頼まれたしな。」 「櫂翔から?なんて?」 「サンドイッチじゃなくて飯食わせろって。お前、櫂翔が遅い時、飯食ってなかったんだって?」 「え…いや…。」 「どうせ李遠の事だから、面倒くさかったんだろ。で、櫂翔には食ったって言ってただろ。」 熾遠の言う事がまったくその通りで、びっくりする。 「櫂翔も熾遠も…何で…わかるの?バレてないって思ってたのに…。」 「あのなぁ…お前の考えてなんて、すぐわかる。俺はお前の兄貴だぞ。」 「まぁ…パパとママの子だからね。」 「李遠は小さい頃から変わらないからな。」 「…そう言う熾遠だって変わらないじゃない…。」 「まぁ…お前が隠し事してもすぐわかる。さて、行くぞ。ライチもカゴに入れろ。」 「ライチ?連れて行っていいの?」 「あぁ。」 「ありがとう熾遠。ライチ、お出かけだよ。」 熾遠が言った事に答え、出かける準備をする。 ライチもキャリーケースに入れてマンションを出た。
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