十一章

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誰が来たのかは気にせずに銘ちゃんとの話しに夢中になっていた。 「李遠ちゃんは何するの?」 「メイドらしいの。でね?当日着る服は自分で考えなきゃイケないの。」 「へぇ~。どんなのにするの?」 「制服にレース付けるだけ。」 「え?それだけ?」 「…の予定だったのが、委員長がそれをさらにアレンジするみたい。」 「李遠ちゃんはまだ見てないの?」 「うん。アレンジ部分は委員長が作るって言ってたから。」 「そっかぁ。楽しみだね?」 「変じゃなければ何でもいいよ。それに当番って言うか、それ来て歩いてるだけで良いって言われたから。」 「宣伝係みたいな?」 「うん。たぶん。」 銘ちゃんと話していると、リビングのドアが開き見てみると、熾遠と櫂翔が話しながら入ってきた。 「ありゃ?櫂翔おかえり。早かったね?」 「あぁ。早く帰るって言っただろ?」 「そうだった。」 近寄って来た櫂翔は私の頭を撫でてから銘ちゃんに話しかけた。 「急に悪かったな銘愛。」 「いいよ。櫂翔は食べてく?」 「いや。食って来たからいい。さて李遠、帰ろうか?」 「うん。おいでライチ。」 ライチをキャリーケースに入れて、立ち上がり櫂翔と玄関に向かう。 「銘ちゃん、お邪魔しました。」 「はぁい。いつでも来てね?」 「うん。じゃあまたね?」 玄関でバイバイして櫂翔と手を繋いでマンションの外に出れば、櫂翔のバイクが止まっていた。 バイクに乗り、ゆっくりしたスピードで家に帰る。
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