十一章

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家に着くと櫂翔は疲れているみたいで、ソファーに横になった。 「櫂翔、大丈夫?」 「あぁ。」 「お風呂は?」 「…後で入る。」 「じゃあ先に入るよ?」 「あぁ。」 返事をした櫂翔に私はお風呂場に向かった。 お風呂から出てくると、ライチが櫂翔が寝るソファーに近づき鳴いていた。 「ライチ、櫂翔疲れてるから、静かに遊ぼうね?」 「ニャ。」 疲れてる櫂翔をしばらく寝かせてあげようと思い、私はソファーを背もたれにしてライチと遊んであげた。 暫くライチと遊んであげると、ライチは眠たくなったのか、寝室のライチ用のベッドに入って行った。 私も眠たくなってきたから櫂翔を起こす。 「櫂翔…櫂翔おきて?」 「…………ん………」 「櫂翔ベッド行こう?ここで寝たら風邪引いちゃう。」 「………あぁ………」 返事をした櫂翔はムクリと起き上がり、私を抱き締めた。 「櫂翔?」 「寝ちゃってゴメンな?」 「大丈夫だよ。櫂翔はお仕事で疲れてるんだし、ライチと遊んでたから。」 「そうか。李遠風呂入ったのか?」 「うん。」 「じゃあ先にベッド行ってろ。風呂入ってくる。」 「わかった。」 櫂翔がお風呂場に向かうのを見てから、私は寝室に移動した。 ベッドに座って待っていると、タオルで髪を拭きながら櫂翔が入ってきた。 「早かったね。」 「家に居る時ぐらい李遠を一人にしたくねぇからな。」 「一人でも大丈夫なのに…。」 「李遠はすぐ我慢するからな。本当は寂しいんだろ?」 櫂翔に言われた事が図星で何も言えなくなり、誤魔化す様に抱き着いたら、櫂翔はクスクス笑いだした。
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