十一章

16/47
前へ
/592ページ
次へ
バタバタと日にちはたち、ついに学祭前日になった。 「さぁ、本番は明日。最後の仕上げだよ!皆、衣装に着替えて不備がないか確かめて!!男子は隣の教室で着替えてね。」 委員長の言葉に男子が教室から出ていき、女子だけになると皆着替え始めた。 「結城さん。衣装これね?」 委員長の声に振り向き、それを見た瞬間固まった。 アレンジするとは言っていたけど、ここまでとは思わなかった。 私はシンプルな制服にしてたのに、目の前に広げられたのは…フリフリのミニスカートに胸元も見えそうなぐらい開いている服…。 「…ねぇ…これを着るの?」 「そう!結城さんに似合うと思って!!とりあえず着替えて?」 「…………わかった。」 委員長の勢いに負け、とりあえず着替える事にした。 …………………… …着替えて…見たけど… 「キャー!結城さん似合う!!」 委員長に叫ばれた。 「…いや…委員長の方が似合うんじゃない?」 「いやいや。結城さんには負けるよ。私も着るけどね。」 そんな話をしながら周りを見れば、皆同じ様な服を着ていた。 「これってさぁ…」 「どうしたの?」 「自分の分は自分でデザインするんじゃなかったの?」 「最初はそうだったんだけど、結城さんの作ってたら皆それが良いって言い出したから、同じのにしたの。」 「…へぇ~。」 結局皆一緒なら、最初からそうすればいいのに… そんな事を思ってると、外から男子の声が聞こえた。 「おぉ~い。着替え終わったかぁ?」 「はいはい。入っていいよ~。」 委員長が答えるとドアが開き、男子が叫びながら入ってきた。 「やべぇ。」 「うわ。結城さん可愛い。」 「こんなメイドに接客されたら…。」 そんな事を言う男子達に冷めた視線を送りながら、とりあえず窓に座った。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加