十一章

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そんな私を見付けた葵が笑いながら近寄って来た。 「クスクス。い~ちゃん可愛い。」 「ありがとう。葵もカッコいいよ。」 「ありがとう。でもそんない~ちゃんの格好みたら、櫂翔さんと熾遠さんが大変そう。」 「…そう?…明日…サボろうかな…。」 「ダメだよ。せっかく可愛いんだから櫂翔さんに見て貰わなきゃ。」 「…はぁ…。憂鬱だな…。明日…銘ちゃんも綾さん達も来るのに…。」 溜め息を付きながら言えば、葵が興奮しながら言う。 「い~ちゃん?綾さん来るの?」 「うん。誘ったら皆で来るって。」 「本当!?瑠榎さんと瑠依さんは!?」 「来るんじゃない?妃那ねぇと紅葉ねぇも来るってメールあったから。」 「やったぁ!い~ちゃん明日は頑張ろうね?」 「…いや…頑張りたくないんだけど…。」 瑠榎さん達が来るとわかり、テンションが上がった葵はもう私の話を聞いていなかった。 「あっ!忘れてた。女子は学校指定のネクタイ着けてね?付け方は任せるから。」 いきなりの委員長の言葉にびっくりする。 この学校はリボンとネクタイがある。 どちらでもつけていいが、基本は女子はリボン、男子がネクタイだ。 まぁ…つけてる人の方が少ないが…。 そんな事を考えながら、皆を観察していると、女子は男子からネクタイを借りるみたいで、テンションが高い葵やblue moonのメンバーのところに集まっていた。 集まっていないのは、彼氏がいる人、自分で持ってる人のみ。 もちろん私も窓から動いてない。 櫂翔か熾遠に借りれば良いと思ってるから。 そんな事を考えていると、いつの間にか熾遠が迎えに来ていた。
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