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教室が騒がし過ぎて、ドアが開いた事に誰も気づいていない。
私は熾遠に気付いていたが、あえて動かずにいると、最初にblue moonのメンバー達が熾遠に気が付いた。
「「「お疲れ様です。」」」
教室中がその声に一瞬静まり返ったが、次の瞬間、女子の奇声が響いた。
「おぅ。李遠可愛いな。明日それ着るのか?」
メンバーに軽く手を上げ私の所に近寄って来た。
「うん。これにネクタイ付けるんだって。」
「ネクタイ?俺のつけるか?」
「ん~?櫂翔の借りる。確か家に使ってないのがあったから。」
「そうか。もう帰れるのか?」
「たぶん?」
「じゃあ行くぞ。そのまま帰るのか?」
「いや、着替えるよ?ってか熾遠何しに来たの?」
「あ?李遠迎えに来たに決まってんだろ?」
「どっか行くの?」
「あぁ。櫂翔が忙しいのが今日で終わりそうだから李遠連れて来いだと。」
「ふぅん。わかった。じゃあ行く前に家に寄ってね?着替えてから行きたいから。」
「あぁ、わかった。」
熾遠と話しながら教室を出て、トイレで着替えてから下駄箱に向かえば、まだ教室に居たはずの葵がいた。
「い~ちゃん、熾遠さん。置いてかないでよ!」
「わりぃわりぃ、葵忘れてたわ。一緒に行くんだろ?」
「はい!」
葵も連れて熾遠のバイクに乗り、一度マンションに帰って着替えてから会社に向かった。
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