十一章

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櫂翔に教室まで送って貰ったが、どこのクラスもまだ始まってないのに大盛り上がりだった。 「李遠、屋上にいるから何かあったら電話しろ。」 「ん。わかった。」 櫂翔に返事をして教室には入れば、すでに着替えた葵が目に入った。 「い~ちゃん、おはよ。」 「おはよ葵。着替えるの早くない?」 「皆着替えてるよ?来た人から委員長に着替えさせられてるよ。」 葵と話していると委員長に見つかった。 「あっ結城さん、おはよ。早速着替えて!」 「はいはい。」 「い~ちゃん、隣で着替えれるよ。」 「わかった。」 着替えを持ち、隣の教室に向かった。 ヒラヒラの制服に着替え、櫂翔のネクタイを結ぼうとして、胸元に視線を落として、呆然とする。 「…ヤラレタ…。」 胸元にはキスマークがいくつも咲いていた。 いつの間に付けたのか、朝気が付かなかった自分が悔しい。 今さらどうする事も出来ないから、ネクタイを少しキツメに締めれば、胸元のあきとキスマークが少しマシになった。 髪はハーフアップにして纏める。 たぶん首にもキスマークがあるから…。 一応準備が終わると、クラスに帰る。 「い~ちゃん。やっぱり可愛い。」 「ありがとう。」 「ネクタイもう少し緩めたら?」 「無理。」 「何で?」 「櫂翔にキスマーク付けられてたから。」 「あ~。言っちゃったんだ。」 「…うん。まさか付けるとか思わないし…。」 「…い~ちゃん…予想しようよ…。」 葵と話していると委員長が近寄ってきた。
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