二章

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櫂翔side 李遠にカクテルを勧め、呑ましたはいいが…1本開ける頃には酔い始めた。 抱きついてくる、可愛い李遠に酔ったのか聞いても、酔ってないといい、次は熾遠に抱きつく。 いつもは呼び捨てにしている熾遠をお兄ちゃんと呼び、熾遠が少し動揺していた。 熾遠から李遠を引き取ると、俺に抱きつきながら寝始めた。 「李遠寝たか?」 熾遠に聞かれ頷く。 いつの間にか侑哉も寝ていた。 「1本で酔ったな。」 「あぁ。皆の前では飲ませられないな。」 「しかし…久しぶりにお兄ちゃんって呼ばれたよ。」 笑いながら言う熾遠。 「いつから呼び捨てになったんだ?」 「小1だな。学校で他の子にヤキモチやいたらしい。李遠の友達からもお兄ちゃんって呼ばれてたからな。」 「なるほどな。李遠らしいな。」 「あの頃も可愛かったなぁ。無邪気で…守ってやりたくなる。まぁ…今も変わらないけどな。」 「まぁな。あぁ、言い忘れてた。李遠俺の女にしたから。」 「は?いつの間に?」 「今日の朝。最初に言っただろ。気に入ったって。」 「あぁ、そうだったな。まさか本当に妹とは思わなかったけど…。まぁ…櫂翔になら任せられるからいいけど…傷つけるなよ?」 「あぁ。傷つけたりするかよ。何があっても離さねぇし、一生俺が護るさ。」 「お前…彼女の兄に言ってて恥ずかしくないか?」 「いや。事実だし。それに…熾遠とも長い付き合いになるしな。 所で、会社はどうなった?」 「あぁ。取り戻した。奴らは失脚させたし、二度と俺達の前には現れないだろ。しばらくは結城コーポレーションの方が中心になるかな。」 「あぁ。それでいい。」 「じゃ、詳しく決まったら教える。今日はこいつら連れて帰るよ。」 「あぁ。気を付けろよ?」 そう話すと、熾遠は侑哉と葵を起こし連れて帰って行った。 俺は、李遠を抱き上げてベッドに寝た。 …熾遠に言った事に嘘はない。 李遠…お前は一生俺が護る。 そう思い、眠る李遠をきつく抱き締め、眠りに落ちていった。 櫂翔side end
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