三章

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櫂翔と暮らしはじめて、2週間がたった。 生活にも大分なれ、学校でも櫂翔達といることが多かった。 櫂翔達が人気者の為、一緒にいる私にはギャル達から嫌がらせをされていた。 櫂翔達は気づいてないけど、一緒に居ないときに、いろいろ言われたりしている。 けど…伯父さんや涼にされてた事を思えば、我慢が出来る。 やっと会えた熾遠。 私の話を聞いた後でも、態度が変わらない葵と侑哉さん。 それに…私を助け出して、好きになってくれた櫂翔。 いつからこんな事を思い出したのか解らないけど…たぶん私は彼らと離れたら、生きていけないと思う。 そう考えると、ギャル達からの悪口ぐらい我慢出来る。 今日も葵が居ない教室で、私に言い寄るギャル達。 「ちょっと結城さん。話があるんだけど。」 寝たふりをしてやり過ごす事も出来たけど…結城家の人間として、売られた喧嘩は買う事にした。 「…なに?」 「あなた…どう言うつもりなの?」 「…なにが?」 「櫂翔さん達よ!」 「ちょっと優しくされたからって、調子にのるんじゃないわよ!」 「彼らに付きまとって、迷惑よ!」 「彼らから離れなさいよ!」 一気に彼女達は言いだし、言い終わった頃を見計らい話す。 「…言いたい事はそれだけ?」 私の言葉に更に喚きだした。 「なんなの!?その態度!!」 「櫂翔さん達は貴方が一緒にいていい相手じゃないのよ!!」 「あなたなんて遊ばれてるだけよ!!いい加減自覚したら!?」 …なんで彼女達に一緒にいる資格がないなんて言われないといけないのだろう。 そう思いながら答える。 「満足?櫂翔達と一緒にいるか居ないかは、私と櫂翔達が決めること。あなた達に言われる筋合いはないわ。」 そう言うと、彼女達は更に言いたそうにしていたが、ちょうど葵が教室の入り口に来るのが見えた。 それを見た彼女達は、覚えてなさいっと言い残し私の側から離れて行った。 …幼稚だな。 私はそう思い、葵に呼ばれたので返事をした。
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