三章

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熾遠と下駄箱まで来ると、ドアに寄りかかる櫂翔が見えた。 櫂翔は私達に気づき、微笑んでくれた。 急いで靴を履き替え、櫂翔に飛び付く。 「櫂翔お待たせ!」 いきなり飛び付いた私を抱き止めてくれた。 「こら李遠。急に走ったらコケるぞ?」 後ろから来た、熾遠に怒られた。 「はぁい。熾遠ゴメンね?ねぇ櫂翔?今からどこ行くの?」 熾遠に謝り、櫂翔に聞く。 「あぁ。買い物。」 「買い物?なに買うの?」 「お前のドレス。」 …私のドレス? なんだか解らなくて、首を傾げながら聞く。 「何でドレス?」 そう言うと熾遠も不思議そうな顔をしていた。 「李遠?来週のパーティー行くんだろ?」 「パーティー?」 何の事かわからず、キョトンとすると櫂翔が言った。 「言ってなかったか?来週会社のパーティーがあるからお前連れて行くって?」 「…聞いてないよ?」 「じゃあ…今言った。行くぞ。」 櫂翔はそう言い、私の手を引き歩き出した。 横を歩く熾遠は、さっきの私達のやり取りをみて、笑っていた。 笑いながら熾遠は櫂翔に話しかけた。 「あっ櫂翔。行く途中、銘愛(めいあ)拾う。」 「あぁ。わかった。」 初めて聞く名前に熾遠に聞いた。 「熾遠?銘愛…さんって誰?」 「ん?俺の彼女。可愛いぞ~。」 「そっかぁ。早く会いたいな。」 そんな話をしていると、校門につきいつもの車に乗り込んだ。 しばらく走り、コンビニに車が止まり、綺麗な女の人が近寄ってきた。 熾遠は窓をあけて、後ろに乗るように言った。 入ってきた女の人が銘愛さんだとわかり、少し緊張した。 …のに…銘愛さんの高いテンションにビックリする。
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