三章

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お店に入ると、高そうなドレスがたくさんあった。 銘ちゃんと一緒にいろいろ見ていると、可愛いドレスを見つけた。 「李遠ちゃん気に入ったのあった?」 そう聞かれ頷き、目についたのを手に取った。 「…これ可愛いけど…私には似合わないかな?」 「わぁ可愛い。着てみなよ!」 そう言われ試着室に入り、着替えた。 着替えて鏡を見れば、デザインは可愛いのに、私が着てると似合ってないように見えた。 「李遠ちゃん着替えた?」 「…うん。」 返事をすると、試着室のドアを開けられると、銘ちゃんだけだと思ったのに、櫂翔、熾遠までいた。 「…どうかな?」 皆が無言だったから私から聞いてみた。 その瞬間、銘ちゃんに叫ばれた。 「可愛い!すごい似合ってる!!」 「あぁ。李遠はそれで決まりだな。銘愛は決まったか?」 「まだ。熾遠、一緒に選んで?」 銘ちゃんと熾遠はそう言うと、二人でドレスを見に行った。 櫂翔から反応がないから、熾遠達がいなくなってから聞いてみた。 「櫂翔?どう?」 「あぁ。似合うな。」 「本当?おかしくない?」 「大丈夫だ。」 櫂翔はそう言うと、私の耳元で囁いた。 「綺麗だよ李遠。誰にも見せたくないぐらい。」 その言葉にポッと顔が赤くなる。 「か…櫂翔!」 「クスクス。本当の事だ。今すぐ抱きたいくらいだ。」 私は櫂翔の言葉に照れた。 「櫂翔!からかわないで。」 「事実を言ったまでだ。まぁ…李遠が良いなら、いつでも抱くけどな。」 櫂翔は笑いながらそう言った。 櫂翔と一緒に暮らして、一緒のベッドに寝ていても、抱き締めてくれて、キスもするけど、それ以上先はしてこない。 櫂翔は私を無理矢理抱こうとはしてこない。 そんな櫂翔の優しさが私は好きだった。 「李遠?とりあえず着替えろ。後はアクセサリー選ぶぞ。」 そう言われ、頷きドアをしめ、着替えた。
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