一章

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学校に着くと、クラス発表を見に行く。 在校生も来ているはずだから、校門からキョロキョロしながら歩く。 熾遠を簡単には見つける事が出来ず、掲示板の前まで来てクラスを確認した。 すぐに自分の名前を見つけられた。 「…Aか…」 呟き案内に従い教室に向かった。 教室に向かう途中には、喧嘩をしている生徒もいた。 ここは…県内No.1の不良校。 私がこの高校に決めたのは、熾遠がいるから。 少しでも…熾遠の近くにいて、安心したかった…。 喧嘩はしない。 でも…売られたら買う。 それが…私達、結城家のしきたりだったりする。 私は少しは着崩しているものの、他の人よりしっかり制服を着ていた。 ギャルっぽい人達の中、私の格好は目立つのかも知れない。 トボトボと長い廊下を歩き、熾遠の事を考えながら、教室に向かっていると、誰かに後ろから声をかけられた。 「ねぇ…お姉さん何年何組?」 振り返ると、人なつっこそうな可愛い男の子がいた。 可愛いけど、やっぱり不良なのか、髪は金髪だった。 無視するのも…と思い、呟いた。 「…1年A組」 それだけ答えると、私はまた歩き出した。 「あっ。待ってよ。」 …余り関わりたくないな…。 そう思いながら、男の子を無視して教室に向かった。
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