三章

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「さぁ食べよ。李遠ちゃん、ここは熾遠が奢るからドンドン食べて?」 銘ちゃんに言われ頷き、流れているお寿司を皆で食べ始めた。 少し食べると、すぐお腹一杯になり、手が止まる。 それに気づいた櫂翔が声をかけてきた。 「李遠もう食べないのか?」 「うん。もう食べれない。」 「そうか。デザートもあるぞ?」 「あっじゃあ甘いの食べたい!」 そう答えると櫂翔が笑いだした。 「クスクス。お腹一杯になったんじゃないのか?」 「デザート分ぐらい大丈夫!食べていい?」 「あぁ。好きなだけ食え。」 櫂翔にそう言われ、デザートを注文していた。 ふっと銘ちゃんを見るとポカンっとしていた。 「銘ちゃん?」 「櫂翔が…笑ってる…。」 櫂翔が笑うのはいつもの事だから、何に驚いているのか解らず、首を傾げた。 「櫂翔は女に笑いかける事はなかったんだ。李遠が初めてだな。」 熾遠に言われた。 「そうなの?」 話しているうちに、デザートがきて食べながら聞く。 「あぁ。俺に近寄ってくる女は俺の外面しか見てなかったからな。それに…今までの奴等は勝手に彼女って名乗ってただけだ。」 櫂翔は淡々とそう言った。 「まぁ良かったじゃない。今は李遠ちゃんに会えたんだし。あのこ達は性格も悪かったしね。」 「そっかぁ。」 そんな話をしながら食べ終わり、皆でお店を出て帰る。 先に私達を家の前で降ろしてもらい、帰ろうとする時、銘ちゃんが言った。 「李遠ちゃん、今度はWデートね。私達の家にも遊びに来てね。」 「うん。銘ちゃんまたね。」 二人でバイバイしていると、車が進みだし、銘ちゃんと熾遠は帰って行った。
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