三章

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櫂翔と部屋に戻り、買ったドレスをクローゼットにしまった。 リビングに戻り、部屋を見渡すと櫂翔がいなかった。 「…櫂翔?」 櫂翔を探しに呼んだと同時に櫂翔が戻ってきた。 「…どこに…行ってたの?」 「ん?風呂してた。」 「…よかった。」 そんな私を櫂翔は抱き締めて聞いてきた。 「どうしたんだ?」 「櫂翔がいると思って戻ったら居なかったから…」 「あぁ。悪かった。李遠を置いて行かないから安心しろ。」 櫂翔は私を抱き締めながら言った。 しばらく抱き合い私が落ち着くと、櫂翔は私から身体を離し言った。 「李遠、ピアス開けるぞ。」 いきなり言われ、ビックリする。 「えっ?今?」 「あぁ。すぐ終わる。」 そう言い、どこからともなくピアっサーを取り出した。 「…いつ買ったの?」 「お前と銘愛がドレス見てるとき。」 「櫂翔!痛くなしないでね?」 「あぁ。俺だけ見てろ。」 櫂翔はそう言いながら準備を始めた。 耳にピアっサーを当てられると、ドキドキしてきて言った。 「か…櫂翔…待って…。やっぱり…怖い。」 「大丈夫だ。」 そう言いながら開けようとする櫂翔に待って貰う。 「ちょっとだけ…待って…。」 櫂翔は私の言葉に耳から手を離した。 気持ちを落ち着かせようと深呼吸していると、いきなり櫂翔はキスをしてきた。 「…ん…」 一瞬解らなくて、目を見開いたけど、櫂翔のキスに考える事が出来なくなり、櫂翔にしがみついた。 いきなり、キスが激しくなりキスに集中していると、バチンと音と共に小さな痛みが走った。 反対の耳から同じような音と痛みが走ったけど、そんなに気にならない程度だった。 しばらくキスされ、櫂翔の唇が私から離れた。
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