三章

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息を整えていると、櫂翔に話しかけられた。 「終わったぞ。痛くなかっただろ?」 そう櫂翔に言われ、耳を触ると今までなかった感触があった。 櫂翔のキスに集中している間に開けられたらしい。 「…本当だ…。」 呆然と呟けば、櫂翔がチュッとキスしてきた。 なんだろうと思い櫂翔を見れば、自分のピアスを1つ外し、今開けたばかりのピアスと取り替えた。 「李遠、1つは俺のをやる。」 「…ありがとう。」 そう言いながら、櫂翔のピアスを触った。 「そして…これがblue moonの姫のピアス。」 そう言い、どこからともなく箱を出し、ピアスを取り出した。 「うわぁ。綺麗…。」 それは櫂翔のピアスに似た感じだけど、よく見ると真ん中の装飾が少し違っていた。 櫂翔はピアスを手に取り、さっきとは反対の耳に着けた。 そして、もう1つは自分の耳に着けた。 櫂翔とお揃いが嬉しくなり、ニコニコしていると、櫂翔に抱き締められた。 「櫂翔?」 「李遠、よく聞け。このピアスをしてると、狙われる事になると思う。だから…俺の側から離れるなよ?」 「…うん。でも…誰から狙われるの?」 「他のチームの奴等。お前を危険な目には合わさない。俺が必ず護ってやる。」 真剣に言う櫂翔に頷いた。 頷いた私を見て、櫂翔は満足そうにしていた。 「さて…李遠、風呂入ってこい。」 「うん。じゃあ先に入るね?」 そう言い着替えを持ち、お風呂に向かった。
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