三章

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携帯のアラームがなり、手を伸ばして止めた。 目を開けると、私を抱き締めグッスリ眠る櫂翔がいた。 櫂翔の綺麗な寝顔に見惚れてると、櫂翔がギュッと私を抱き締めた。 起きたのかと思い話しかけた。 「櫂翔…朝だよ?学校行かなきゃ…。」 「…ん?まだ…いいだろ…。」 そう言いながら、また寝ようとした櫂翔を起こす。 「櫂翔、起きて?HR間に合わなくなっちゃう…。」 そう言うと、櫂翔は目をあけてくれた。 「そうか…1年はHR出ないといけないんだったな…。」 そう言いながらも、私を離そうとはしなかった。 「…櫂翔、離して?準備出来ない…。」 私が言うと、いきなりキスしてきた。 「…ん…」 だんだんと激しくなり、櫂翔の舌に翻弄される。 微かに残る理性で櫂翔に訴える。 「…ン…かい…と…。…ハァ…学校…」 キスの合間から漏れる声に櫂翔が唇を離した。 「まだ大丈夫だ。」 そう言い、またキスしてきた。 しばらくすると、ようやく唇を離してくれたが、キスで私は身体中の力が抜け、櫂翔に寄りかかった。 クタッとする私に、櫂翔は言ってきた。 「ほら李遠?準備しなくて良いのか?」 まだ息切れしていた私は、途切れ途切れに言った。 「…ン…櫂…翔の…せい…じゃん…。」 そう言うと、クスクス笑い出す。 しばらくすると、ようやく息も整い、準備を始めた。 制服に着替え、軽く化粧をしてリビングに行けば、すでに着替えた櫂翔が、テレビを見ていた。 「お待たせ。行こう?」 「あぁ。」 櫂翔は返事をすると、テレビを消して私の手をとり玄関に向かった。 二人で靴をはき、玄関を出てから、櫂翔が言った。 「李遠、鍵やっとく。オートロックだからなくすなよ?」 そう言われ頷き、手渡された鍵を鞄にしまった。
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