三章

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それから何事もなく時間は過ぎて行った。 4時間目は体育で、面倒くさいと思いながら、更衣室に行った。 体育館に行く途中にも、女子からは睨まれていた。 体育館手前で熾遠と侑哉さんに会い呼び止められた。 「李遠、今から体育か?」 「うん。熾遠達、授業は?」 「ん?サボり。」 「ふぅん。櫂翔は授業に出てるの?」 「あいつが授業に出てるわけないだろ。珍しく朝から来たと思ったら、ずっと屋上にいるぞ。」 「朝は私と来たからね。」 「あぁなるほど。李遠と一緒じゃなきゃ、朝からいるわけないよな。」 「うん。そろそろ行くね?じゃあね熾遠、侑哉さん。」 「あぁ。昼に迎えに行くな。」 「李遠ちゃん。またお昼にね。」 二人はそう言い、歩いて行った。 私も授業に向かうべく体育館に行った。 体育はバスケットで、先生が振り分けたチームで対戦していた。 真面目にやってる生徒はいなく、ダラダラとゲームが進んだ。 コートに立っているだけで、ゲームに参加していなかった私は、ボ~と見ていると凄い勢いでボールが飛んで来た。 咄嗟によけ、飛んで来た方を見れば、相手チームのギャル達がいた。 「あら残念。当たらなかったわ。」 「意外と素早いのね。」 「だから熾遠さん達にも身体で迫ったのよ。」 言いたい放題言ってるギャル達に言った。 「ねぇ…あんなボール当たったら怪我するんだけど…。」 そう言えば、笑いながら言われた。 「怪我すれば、熾遠さんや櫂翔さんの前に出れないでしょ?」 「傷だらけで櫂翔さん達の側に居られるわけないわよね。」 その言葉に、はぁっと溜め息をついた。 …熾遠はお兄ちゃんだし、櫂翔とは一緒に暮らしてるから、別に怪我くらいで離れないし…。 そう思いながら、相手にするのが嫌になり、無視した。
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