三章

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「次…また何かするなら、今度は手加減しないから…。」 私はそう言い残し、着替えに行った。 制服に着替えてから、鏡を見ると転んだ拍子に足は挫いていて、膝は蹴られた時に転んで擦り傷が出来ていた。叩かれた頬っぺたも赤くなっていた。 「あちゃあ…。なんて言い訳しようかな…。」 そう考えながら、足を引きずりながら教室に向かうと、クラスの前に人だかりが出来ていた。 教室を覗くと私の席に熾遠が寝ていた。 熾遠に近づき起こす。 「熾遠おきて。何でここで寝てるの?」 そう言うと、欠伸をしながら熾遠が起きた。 「ん~。…あの後、ここで待ってたから…」 まだしっかり起きていない熾遠の耳元で囁いた。 「お兄ちゃん。ちゃんと起きて?イオと遊んでくれなきゃ泣いちゃうよ?」 そう言うと、熾遠はバッと私に抱きついた。 「起きた!李遠寂しかったのかぁ?俺がいるぞ~。」 「熾遠…冗談だから…。」 「なぁんだ。たまには俺にも甘えろよ~。」 「はぃはぃ。今度ね?熾遠、櫂翔の所に行こう。」 「あぁ。行くか。」 そう言い、熾遠は私の手を掴み歩き出した。 足が痛くて引きずって歩く私に熾遠が聞いてきた。 「李遠?足どうした?」 そう聞かれ咄嗟に誤魔化した。 「さっきの体育で転んじゃった。」 「保健室行ったか?」 「まだ。たぶんほかってても大丈夫だよ。」 「先に保健室行くぞ。傷が残ったらどうするんだ。」 そう言い熾遠は私を抱き上げ保健室に向かった。 「熾遠!恥ずかしいから降ろして!!」 「痛いんだろ?俺の前で我慢するな。」 そう言われ、何を言っても降ろしてくれない熾遠に諦めて、周りには聞こえないようにお礼を言った。 「お兄ちゃん。ありがとう。」 「おぅ。たまには良いな。」 「何が?」 「お前にお兄ちゃんって呼ばれるの。」 「そう?」 そんな話をしながら保健室に入って言った。
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