十五章

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時間がたつにつれ、意識がはっきりしてきた。 フッと辺りを見渡せば、櫂翔と熾遠が居ない事に気がついた。 「お……と……さ?」 「なんだ?」 「…か……い…と……は?」 「あぁ。溜まり場に出てる。すぐ帰ってくるから、李遠は大人しく寝てろ。」 「…う……ん…。」 私に何も言わずに出掛けてしまった櫂翔に、思わず目に涙が溜まってきていた。 「李遠、泣かなくていい。櫂翔達はお前が目覚める前に帰るつもりだったが、李遠が目覚めるのが早かっただけだ。 …ほら…単車の音が聞こえるだろ? 帰ってきたぞ。」 頭を撫でながら言うお父さんに、無言のまま頷く。 少し待つと櫂翔と熾遠が何か話しながら入って来た。 すぐに二人とも私が起きてるのに気付き声を掛けてくる。 「気分はどうだ?」 「…だ…じょ……ぶ…」 櫂翔に聞かれ、そう答えながら櫂翔に向かって手を伸ばした。 そんな私の行動がわかっていたのか、櫂翔は私を抱き上げてギュッと抱き締めてくれた。 「どうした?怖い夢でも見たか?」 聞いてきた櫂翔に首を振る。 「…パ…パ……た…ち……の……ゆ……め…。」 「そうか。」 「何も言わずに出掛けて悪かった。」 そう言う櫂翔に首を降れば、櫂翔は頭を撫でてくれた。 しばらく櫂翔にくっつき気分的に落ち着いた頃…今何時か気になった。 部屋にはカーテンがしてあり夜である事はわかったが、どのくらい寝てたのか気になった。 「か……と……?」 「どうした」 「い……ま……な……じ?」 「まだ3時だな。」 そう答えた櫂翔に不思議に思った。 ご飯を食べたのが8時ごろ…。 なら朝まで私は寝ていた事になる。 そんなに長く寝た気分ではなかったから。 「よ……な……か?」 「あぁ。お前ぐっすりだったからな。」 「そ……か…。」 櫂翔と話していると、体温計を持った熾遠が近寄って来る。 「李遠、熱測ってみろ?」 「う……ん。」 私が返事をすると、熾遠から体温計を受け取った櫂翔が耳に当ててきた。 すぐにピピって音がなり、すぐに耳から外された。
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