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保健室で手当てしてもらい、今度こそ櫂翔達のいる食堂に向かった。
やはり櫂翔達がいるからか、入り口付近が混雑していた。
熾遠は私の手を引っ張りながら、人混みの中を進み櫂翔達の所に向う。
人だかりは、熾遠が近づくと道を開けていった。
その時…ドンっと後ろから押され、転びそうになったが、熾遠と手を繋いでいた為、熾遠に支えられた。
「何やってんだ李遠?」
「ごめん。躓いた。」
「ちゃんと見て歩け?また怪我するぞ?」
「うん。ありがとう熾遠。」
そう話しながら歩き、櫂翔達の所についた。
櫂翔の隣に座り、何を食べようか悩んでいた。
「李遠どうする?」
「オムライスにしようかな。」
「わかった。買ってきてやるから櫂翔と待ってろ。」
熾遠はそう言うと券売機の方に歩いて行った。
熾遠が行ってから、櫂翔が私の傷に気づき聞いてきた。
「李遠怪我したのか?」
「え…うん。転んじゃった。」
「…これは?」
叩かれた頬っぺたに手を置かれ聞かれた。
「えっ?なんかなってる?」
誤魔化す理由が思い付かず、知らない振りをした。
「赤くなってる。叩かれたか?」
「えっ…。櫂翔の気のせいだよ。」
そう話しているとちょうど熾遠が戻ってきて、ご飯を食べ始めた。
櫂翔は納得いかない様な顔をして、私を見ていたから、バレないかヒヤヒヤしながらご飯を食べた。
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