十五章

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目が覚めるとベッドの上だった。 目の前には櫂翔の胸かあり、いつの間にベッドに来たのかボ~としながら考えていると、櫂翔が身動ぎして目を開けた。 「…………ん…………。」 「……か……い…と。」 寝ぼけている櫂翔に声を掛ければ、目に私を写してくれてギュッと抱き締めてくれた。 「具合はどうだ?」 「だ…じょ…ぶ…。 い……つ……ベッ…ド……来…た…の??」 「無理はするなよ?ベッドに来たのはお前が寝て暫くしてからだな。ソファーに居たんじゃ身体が辛いだろ?」 「は…こ……で…く……て……あ……が…と…。」 「あぁ。」 お礼を言うと櫂翔は頭を撫でながら微笑んでくれた。 それから、櫂翔は枕を背に起き出しタバコに火を付けた。 そんな櫂翔の膝には私の頭が乗っている。 甘える様にしている私に、櫂翔はずっと頭を撫でてくれていた。 櫂翔がタバコを吸い終わった頃、フッと気付き聞いてみた。 「ね…?…か…い…と??」 「どうした?」 「ラ…イ…チ…が…い…な…い。」 「あぁ。下にいるぞ。行くか?」 「ん。」 私の返事を聞くと櫂翔は私を抱き上げ下に向かった。 リビングのドアを開ければ、ライチがタカタカと走って来る。 そんなライチを踏まない様に、櫂翔は私をソファーに下ろした。 「ラ…イ…チ…は…よ。」 「ニャ~。」 「あら李遠ちゃん起きたのね?おはよう。」 ライチと話していると、お母さんがキッチンから顔を覗かせた。 「は…よ…。お…か…さ。」 「おはよう。具合はどう?」 「だ…じょ…ぶ。」 また少し身体がダルかったが、そこまで辛い訳ではないので、そう応えた。 「そう?だいぶ声も出てきたね。じゃあご飯用意するわね?」 お母さんはそう言いキッチンに戻って行った。
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