一章

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教室につきドアを開けると、クラスの半数ぐらいの人がいた。 黒板に書かれてる席を確認して、席に座りどうやって熾遠を見つけようか考えていると、前の席に男の子が座り、振り返り話しかけられた。 「ねぇ。俺、葵。君は?」 男の子を見ると、さっき廊下で話しかけてきた人だった。 流石に無視出来ないと思い答えた。 「李遠。」 「イオンね。んじゃ、い~ちゃんだ。俺の事知ってる?」 …不思議な事を聞く子だ。 さっき会ったばかりの人を知るはずがない。 だから…私はそのまま答えた。 「知らない。さっきあったばかりの人を知ってたら逆に怖いよ。」 そう言うと葵は笑いながら言った。 「あはは。い~ちゃん珍しい。とりあえず一緒に体育館行こう?」 「1人で行くからイイ。」 「えぇ~。せっかくだし一緒に行こうよ。ね?」 そう言う葵を無視して席をたったが、すぐに葵は隣に並び歩き出した。 教室を葵と一緒に出ると、周りが騒がしくなっていた。 「葵さんだ。カッコいいね。」 「葵さん。チワッス。」 同じ1年にさん付けされている葵が不思議で聞いてみた。 「葵って有名人?」 そう言うと、また葵は笑い出した。 「あはは。一応ね。たぶん知らないの、い~ちゃんだけだよ?」 興味もないから適当に返事をして、体育館まで歩いた。 体育館までに行く間に、葵はイロイロ話してくれたけど、熾遠を見つけたい私は、適当に相づちを打っていた。 いつの間にか体育館に着いていて、葵とクラスの所に並んだ。
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