三章

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お昼休みも終わり、教室に帰ろうとしたら、櫂翔に抱き締められた。 周りの女の子達が、キャ~と騒ぎだし、櫂翔に聞いた。 「櫂翔?どうしたの?」 「お前…何か俺に隠してるだろ?」 「…へ?」 「誰に叩かれた?」 そう聞く櫂翔に、無言を貫く。 「言わないと…ここでキスするぞ?」 それでも言わない私に櫂翔は顎を持ち、キスしてこようとしたのを慌てて止める。 「ま…待って!本当に大丈夫だから。ヤバくなったら必ず言うから。ね?」 納得がいかなそうな顔の櫂翔に更に言った。 「今回は私もやり返したから大丈夫だから。次はちゃんと言うから!」 「…やっぱ誰かに叩かれたか…。」 そう言われハッとした。 …余計なこと言っちゃった…。 ヤバイと思い、熾遠に目をむけ、助けを求めた。 熾遠は解ってくれたみたいで、私たちに近づいてきた。 「櫂翔、今回は見逃してやれ。李遠もそんなに弱くない。それに…結城家家訓に売られた喧嘩は買うってのがあるんだ。李遠だけじゃダメな時はちゃんと言わすから。」 熾遠に言われ、櫂翔は仕方なく手を離してくれた。 「李遠、見逃すのは今回だけだ。お前を傷つけるやつは誰であろうと許さない。良いな?」 解ってくれた櫂翔に嬉しくなり、抱きついた。 「うん!ありがとう櫂翔!!」 それから熾遠に教室まで送って貰い、午後の授業を受けた。 放課後は櫂翔のお迎えで、いつも以上に廊下がうるさくなっていた。
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