三章

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帰りのHRが終わり、熾遠のお迎えを待っていると、遠くから女の子達の悲鳴に似た声が聞こえた。 熾遠が来たと思い、立ち上がると櫂翔だった。 教室に入ってきた櫂翔は私の方を見て言った。 「李遠、行くぞ。」 「あれ?今日は櫂翔?」 「あぁ。ほら来い。」 櫂翔はそう言い、私の手を握り歩き出そうとして、ふっと止まった。 なんだろ?って思いながら櫂翔を見ると、櫂翔は教室の奥の方で私を睨んでいた女達に目をむけ言った。 「李遠になんかしたら許さねぇからな。たとえ…女だろうと容赦しねぇ。」 そう言うとまた前を向き歩き出そうとした。 その時、ギャルのリーダーっぽい子が叫んだ。 「櫂翔さん!待ってください!!」 その声に櫂翔は不機嫌そうに振り向く。 「なんで…その子を庇うんですか?そんな…汚い子…。」 そこまで言うと、女は櫂翔の冷たい視線に黙ってしまった。 「………。それ以上ごちゃごちゃ言うなら、二度と外歩けねぇ様にするぞ…。」 「で…でも…櫂翔さん…」 「気安く人の名前呼ぶんじゃねぇよ。今回は見逃してやる。だが…次はない。覚えとけ。」 櫂翔はそう言うと今度こそ歩き出した。 私は振り向き、女の方を見ると、ギャルは悔しそうな顔をしながら私を睨み付けた。 櫂翔に手を引かれ、バイクの所まで来ると、櫂翔は私を抱き上げバイクに乗せた。 私をのせると、櫂翔も跨がりバイクを発進させ、溜まり場に向かった。
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