三章

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溜まり場の中に入ると、葵がすでにいた。 「あっ!葵ここにいたの?」 「い~ちゃん、櫂翔さんおかえり。」 葵と話ながらソファーに座る。 「葵ちゃんと学校来なよ。」 「行くつもりだったんだよ…。でも…起きたらさっきだったんだ。」 「ふぅん。明日は来なよ?」 「うん。」 葵と話終わり、櫂翔を見れば隣にいなかった。 「あれ?櫂翔は?」 キョロキョロと周りを見渡すけど、櫂翔が見当たらなかった。 「どうした?」 入り口から熾遠と侑哉さんが入ってきて、キョロキョロとしている私を見て聞いてきた。 「櫂翔がいなくなっちゃった…。」 「櫂翔なら外にいたよ?」 私が呟くと侑哉さんが言った。 「そっか…。」 ショボンとしながら言えば、熾遠が頭を撫でてくれた。 「李遠そんなに落ち込むな。櫂翔はすぐ戻る。」 「…うん…。」 そう話し、しばらく皆と話していると櫂翔が戻ってきた。 櫂翔は私の隣に座り、軽く落ち込んでいた私を不思議そうに見て言った。 「李遠どうした?」 櫂翔に話かけられても、答えないでいると、熾遠が笑いながら櫂翔に言った。 「あはは。李遠はお前が急にいなくなったから落ち込んでんだよ。」 「あぁ…。置いてって悪かった。外で話してたんだ。」 櫂翔はそう言いながら頭を撫でてきた。 …一言ぐらい言ってから行ってくれたら良かったのに…。 そう思いながら櫂翔を睨むと入り口から笑い声が聞こえた。 入り口の方を見ると、銘ちゃんがこっちに走ってきていた。 「李遠ちゃん可愛い!!」 そう言いながら、ガバッと抱きつかれ驚いた。
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