四章

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いきなり抱きついた私に櫂翔は不思議な顔をしながら聞いてきた。 「どうした?」 「あのね…今日の櫂翔…違う人みたいだったから…。」 「ふっ。そうか。」 櫂翔はそう言いながら、頭を撫でてくれた。 「さて、李遠行くぞ。」 「うん!」 返事をすると、櫂翔は私の手を握り歩き出す。 二人でロビーに行くと、魁さんと綾さん以外がいた。 「銘ちゃん!妃那ねぇ!」 私が二人を呼ぶと、二人は振り返り私を見た。 『あっ!李遠ちゃん来た。』 そう言いながら手を振ってくれた。 私達の後ろからは、魁さんと綾さんが来ていた。 『あっ李遠ちゃ~ん!』 綾さんに手を降り皆で歩き出す。 「さて、どこで飲むよ?」 『近場でいいぞ。』 熾遠と瑠榎さんが話をしていて、二人で決めた場所に向かって歩きだした。 しばらく歩き、居酒屋に入って行った。 先に飲み物を頼む事になり、カクテルメニューを綾さんと見ていると、櫂翔に言われた。 「李遠、お前はジュース飲め。」 『沙綾もな。』 櫂翔と魁さんに言われ、綾さんと二人で反論する。 『「えぇ~。」』 「ダメだぞ李遠。お前はまだジュースで充分だ。」 『綾もだ。』 次はお兄ちゃんズに言われて、渋々諦めた。 「飲みたかったね綾さん?」 『そうだね李遠ちゃん。』 二人でシュンとしていると、妃那ねぇと銘ちゃんが話しかけてきた。 『綾、李遠イジケないの。部屋に戻ってから飲めばいいじゃない。』 「そうだよ綾ちゃん。李遠ちゃん。」 二人の言葉に頷き、ジュースが来て飲み始めた。
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