四章

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そう話す瑠榎さん達に熾遠が言った。 「瑠榎さん、妃那さん。李遠も面白いぞ。初めて会った櫂翔に“初めて会った人を知ってたら怖い”って言ったらしい!」 『あはは。綾より上がいたよ。』 「俺、それ聞いて会ってみてぇって思ったら、妹だからビックリしたよ。」 そう話す熾遠に皆が笑った。 私は何で笑われるか良く解らなくて聞いた。 「何で笑うの?初めて会った人を知ってたら怖いでしょ?」 そう言うと銘ちゃんが答えてくれた。 「李遠らしいけど…櫂翔はこの町じゃかなり有名なんだけどね。もちろん魁さんや瑠榎さん達も…」 「だって…興味なかったんだもん。熾遠がblue moonにいる事すら知らなかったんだよ?熾遠も教えてくれなかったし…」 ちょっとイジケながら言えば、綾さんが慰めてくれた。 『李遠ちゃん落ち込まなくて大丈夫よ。私なんて瑠榎にぃ達がチームに居たのは知ってたけど、妃那ねぇ達までいるなんて知らなかったし。 魁と出会わなければ、たぶん今でも教えて貰ってないよ?』 『綾に教えて喧嘩に巻き込まれたら大変だからな。お前に何かあったら、先代が皆動くぞ?』 瑠榎さんが面白そうに話した。 そんな会話を聞きながら、綾さんは皆に愛されてるんだと思った。 しばらく話をしていると、綾さんの姿が見えなくなった。 ふっと魁さんを見ると、膝で綾さんが眠っていた。 『あれ?魁、綾寝たか?』 『あぁ。』 瑠榎さんと魁さんの会話を聞き、熾遠が言った。 「綾ちゃんが寝ちゃったならホテル帰るか。」 『そうだな。』 そう言い皆立ち上がり、ホテルまで帰って行った。
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